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岐阜地方裁判所 昭和43年(わ)422号 判決 1970年5月14日

本店所在地

岐阜県関市平和通八丁目二番地

福田刃物工業株式会社

右代表者代表取締役

福田莞爾

右の者及び福田吉蔵に対する法人税法違反各被告事件について、昭和四三年四月一〇日岐阜地方裁判所が言い渡した判決につき被告人から適法な控訴の申立がなされたところ、昭和四三年一〇月一七日名古屋高等裁判所において、原判決中被告人に関する部分を破棄して岐阜地方裁判所に差し戻す旨の判決がなされた。この結果当裁判所は検察官高木重幸出席のうえ、さらに審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を罰金三〇〇万円に処する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、関市平和通り八丁目二番地に本店を置き、機械刃物類の製造販売を目的とする法人であるが、その代表取締役であつた福田吉蔵は被告人の業務に関し法人税を免れようと企て、売上の一部を簿外にしてこれを隠匿する等の不正な方法により

第一、昭和三八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人の所得金額が一、九五一万九、四〇五円であり、これに対する法人税額は七二六万七、八〇〇円であるのにかかわらず、昭和三九年二月二九日所轄関税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額を一二六万八一三円これに対する法人税額が三七万一、〇〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて、被告人の同事業年度における法人税額六八九万六、八〇〇円を免れ、

第二、昭和三九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人の所得金額が一、四八〇万六、三四五円であり、これに対する法人税額は五四四万四、〇〇〇円であるのにかかわらず、昭和四〇年二月二七日所轄関税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額を一一九万六、三一一円これに対する法人税額が三六万四、七〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて、被告人の同事業年度における法人税額五〇七万九、二〇〇円を免れ

第三、昭和四〇年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告人の所得金額が一、四九五万五、八一四円であり、これに対する法人税額は五三一万一、二〇〇円であるのにかかわらず、昭和四一年二月二八日所轄関税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額を一四三万八、七九七円、これに対する法人税額が四〇万九、九〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて、被告人の同事業年度における法人税額四九〇万一、二〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全般の事実について

一、福田吉蔵の検察官に対する供述調書四通(添付の上申書二通を含む)

一、福田吉蔵の大蔵事務官に対する質問てん末書八通

一、中西章・和座英代(三通)、平田こと可児文子、岡健二、井上和一及び福田莞爾の検察官に対する各供述調書

一、中西章(三通)和座英代、福田重夫及び井上和一の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一、福田重夫、井上和一、松田正夫、石原全直、各務繁喜、小川弘、田之内寅雄、大辻吉雄、早瀬正道及び渡辺逸郎作成の各上申書

一、守屋重利作成の浜崎英春及び高島忠敏名義の普通預金入金明細書写各一通、定期預金元帳写、普通預金元帳写、証明書、定期預金印鑑票写、通知預金記入帳写、別段預金元帳写

一、川島光雄作成の普通預金元帳写

一、永島順一郎作成の普通預金元票写二通、入金明細書三通、支払伝票写

一、高山広之作成の定期積金並びに普通預金元帳写

一、大蔵事務官作成の印鑑現在確認書二通

一、登記官吉田作成の登記簿謄本

一、押収してある売掛帳七冊(証四ないし一〇)

一、押収してある値段表(証一三)

一、押収してある補助簿一冊(証一七)

一、押収してある領収書三枚綴(証二〇)

一、押収してある領収書六枚綴(証二二)

一、押収してあるノート(証二三)

一、押収してある文書二枚及び出納簿四枚綴(証二四)

一、押収してある償却資産申告書控三部(証二五ないし二七)

一、押収してある不渡手形二枚綴(証二八)

一、押収してある深井刃物関係書類(証三二)

一、押収してあるノート(証三三)

判示第一の事実について

一、大蔵事務官山本市蔵作成の証明書二通(昭和三八年一二月末期の分及び同月期更正分)

一、押収してある総勘定元帳(昭和三八年度分)(証一)

一、押収してある出荷帳(昭和三七年四月一二日から昭和三九年一一月三〇日までの分)(証一一)

一、押収してある金銭出納帳(昭和三八年一月七日から同年一二月三〇日までの分)(証一四)

一、押収してあるメモノート(スマイルノート)(証一八)

一、押収してある本社報告控(昭和三七年一一月分から昭和三九年二月分までの分)(証二九)

判示第二の事実について

一、大蔵事務官山本市蔵作成の証明書(昭和三九年一二月末期の分)

一、押収してある総勘定元帳(昭和三九年度分)(証二)

一、押収してある出荷帳二冊(証一一及び一二)

一、押収してある金銭出納帳(昭和三九年一月六日から同年一二月三一日までの分)(証一五)

一、押収してあるメモノート(スマイルノート)(証一八)

一、押収してあるノート(ミリオンノート)(証一九)

一、押収してある領収書一冊(証二一)

一、押収してある本社報告控二冊(証二九及三〇)

判示第三の事実について

一、大蔵事務官山本市蔵作成の証明書(昭和四〇年一二月末期の分)

一、押収してある総勘定元帳(昭和四〇年度分)(証三)

一、押収してある出荷帳(昭和三九年一二月二日から昭和四一年六月一七日までの分)(証一二)

一、押収してある金銭出納帳(昭和四〇年一月五日から同年一二月三〇日までの分)(証一六)

一、押収してあるノート(ミリオンノート)(証一九)

一、押収してある領収書一冊(証二一)

一、押収してある本社報告控(昭和三九年三月分から昭和四一年二月分までの分)(証三〇)

一、押収してある売掛帳(昭和四〇年二月八日から昭和四一年六月一三日までの分)(証三一)

一、押収してある営業報告書(証三四)

(法令の適用)

被告人の判示第一及び第二の各所為は昭和四〇年法律第三四号附則第一九条により同法による改正前の法人税法第五一条第一項、第四八条第一項に、同第三の所為は法人税法第一六四条第一項、第一五九条第一項に各該当し、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから、同法第四八条第二項により各罪に付き定めた罰金の合算額以下において被告人を罰金三〇〇万円に処することとする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 小島裕史)

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